ワクチン新聞

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平成25年(2013)夏号

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コンコンコンコン、ヒュー とまらない咳、百日せき

百日せきにかかると咳がひどく、コンコンコンコン、ヒューといった特徴的な症状が長く続きます。この「咳発作」は夜間に多く、昼間は症状が出ないことがあります。この病気は百日せき菌という細菌が気管支粘膜...

百日せきにかかると咳がひどく、コンコンコンコン、ヒューといった特徴的な症状が長く続きます。この「咳発作」は夜間に多く、昼間は症状が出ないことがあります。
この病気は百日せき菌という細菌が気管支粘膜などに感染し発病する感染症です。しかし、百日せきの初期症状はカゼと似ており、特に年長児や大人では、これら特徴のある咳が見られず、誤って「長引くカゼ、副鼻腔炎(蓄膿症)、喘息、結核などの疑い」で治療されている場合もあります。
患者数は、今年4月1日~28日は122人、4月29日~5月26日は119人、6月になっても毎週30人以上が報告されています。地域に偏りはなく、全国各地で患者が発生しています。また、2歳未満の子どもがかかると重症化しやすく、特に、6ヵ月未満の乳児の死亡率が高い病気です。ただし、年齢にかかわらず誰でもかかる可能性があるため、注意が必要です。
百日せきの治療には、一般的な咳止めの薬はあまり効果がありませんが、有効な抗菌薬を飲めば、菌は体内から排除されます。しかし、百日せきと診断がつく前に周囲へ感染を広げてしまうこともあるため、かかる前に予防することが大切です。
百日せきのワクチンとしては、平成24年秋に4種混合ワクチン(百日せき、ジフテリア、破傷風、ポリオ)が発売されており、定期予防接種として接種を受けることができます。このワクチンは生後3ヵ月から3回(3~8週間隔)接種し、翌年1回接種するものです。また、3種混合ワクチン(百日せき、ジフテリア、破傷風)と不活化ポリオワクチンを別々に受けることもできます。体調の良い日を選んで早めに接種を受けましょう!

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予防接種のメリット

感染症にかかると体の中で抗体などが作られ、新たに外から侵入する病原体を攻撃するしくみができます。このしくみを免疫といいます。免疫のしくみを利用したのがワクチンです。ワクチンを接種することにより、...

感染症にかかると体の中で抗体などが作られ、新たに外から侵入する病原体を攻撃するしくみができます。このしくみを免疫といいます。
免疫のしくみを利用したのがワクチンです。ワクチンを接種することにより、あらかじめウイルスや細菌(病原体)に対する免疫を作り出し、病気になりにくくするのです。まれに熱や発疹などの副反応がみられますが、実際に感染症にかかるよりも症状が軽いことや、まわりの人にうつすことがない、という利点があります。
また、多くの人が予防接種を受けることで集団免疫効果が発揮され、ワクチンを接種することができない人を守ることにもつながります。

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お母さんからのプレゼント

赤ちゃんは、お母さんのお腹にいるときにお母さんから様々な病気に対する免疫が受け継がれます。しかし、百日せきの抗体は生まれて早い時期に、麻しん(はしか)の抗体は乳児期後半には失われてしまいます。そ...

赤ちゃんは、お母さんのお腹にいるときにお母さんから様々な病気に対する免疫が受け継がれます。
しかし、百日せきの抗体は生まれて早い時期に、麻しん(はしか)の抗体は乳児期後半には失われてしまいます。そのため、百日せきを含む4種混合ワクチンは生後3ヵ月、麻しんを含む麻しん風しん混合ワクチンは生後12ヵ月になったらなるべく早い時期に接種を受けます。

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流行する風しん

今年は風しん患者が急増し、1月からの累積患者数はすでに1万人を超えました(平成25年6月19日現在、10,822人)。患者は20~40歳代の男性に多く、この世代の男性はワクチン接種を受けておらず...

今年は風しん患者が急増し、1月からの累積患者数はすでに1万人を超えました(平成25年6月19日現在、10,822人)。患者は20~40歳代の男性に多く、この世代の男性はワクチン接種を受けておらず、風しんに対する免疫を持っていないためと考えられています。風しんに対する免疫を持っているかどうかは、血液検査(有料)で抗体を測るとわかります。採血はすぐに終わりますが、結果がわかるまでには数日から1週間かかります。また、抗体検査費用や予防接種費用を一部(あるいは全額)負担してもらえる市町村もあります。詳しくは、かかりつけの医療機関・医師、お住まいの市町村にご相談ください。
風しんの流行を抑えるには、集団の80~85%の人が免疫を獲得し、維持することが重要です。ひとりひとりが免疫力を高め、社会全体で感染症を予防しましょう。

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日本脳炎の予防接種はお済みですか?

日本脳炎は、人から人へ感染することはなく、ブタなどの動物の体内で増殖された日本脳炎ウイルスがそのブタをさした蚊(主にコガタアカイエカ)を媒介として人に感染する病気です。そのため、蚊の活動が活発に...

日本脳炎は、人から人へ感染することはなく、ブタなどの動物の体内で増殖された日本脳炎ウイルスがそのブタをさした蚊(主にコガタアカイエカ)を媒介として人に感染する病気です。そのため、蚊の活動が活発になる夏には特に注意が必要です。
蚊にさされても多くの場合は症状が出ませんが(不顕性感染)、日本脳炎を発症すると2割から4割が死亡し、命を取りとめても運動障害などの重い後遺症が残ることが多い、怖い病気です。
日本脳炎に対する特異的な治療法がないため、日本脳炎ワクチン接種による予防が重要です。標準的には3歳で2回、4歳で1回、9歳で1回の接種を受けます。なお、これまで接種を受けることができなかった方でも、年齢によっては、ワクチン接種を受けることができる救済措置があります。詳しくは、かかりつけの医療機関・医師、お住まいの市町村にご相談ください。