ワクチン新聞

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平成27年(2015)冬号

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麻しん(はしか)

麻しんは「はしか」とも呼ばれる感染症で、かかると命を落とすこともある重篤な病気です。「はしか」の語源は「はしかい」(かゆい)に由来します。この病気にかかると、喉(のど)や皮膚がチクチク、ヒリヒリ...

麻しんは「はしか」とも呼ばれる感染症で、かかると命を落とすこともある重篤な病気です。「はしか」の語源は「はしかい」(かゆい)に由来します。この病気にかかると、喉(のど)や皮膚がチクチク、ヒリヒリとした感じになり、それが麦の穂先でこすったような感じに似ていることからきています。一方、「麻しん」は中国由来のことばで、麻の実のような形や色の発疹が出ることから名付けられたものです。
古くは、麻しんは誰でも一生に一度はかかる病気と考えられていました。「はしかにかかって一人前」や、「7歳までは神の子」とは、幼児の生死は神様が握っていて、ヒトの努力が関与できるものではないとされていたことによります(幼児の死亡が多かった)。順調にいけば7歳頃までには麻しんなどのほとんどの小児感染症を卒業できることを言い表しており、医療環境が進歩した現代の日本とは大きく異なります。

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麻しんの流行状況

2014年は463例の麻しん患者が報告されました。しかし、2015年の麻しん患者数は29例(11月4日現在)と大きく減少しています。その要因のひとつとして、乳幼児に対する接種率が90%以上維持さ...

2014年は463例の麻しん患者が報告されました。しかし、2015年の麻しん患者数は29例(11月4日現在)と大きく減少しています。
その要因のひとつとして、乳幼児に対する接種率が90%以上維持されていることが考えられます。

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麻しん排除の取り組み

麻しん排除計画についてWHOは、日本を含む西太平洋地域において、2012年までに麻しんを排除する目標を定めました。これを受けて2007年8月、日本でも2012年までの麻しん排除を目標とした「麻し...

麻しん排除計画についてWHOは、日本を含む西太平洋地域において、2012年までに麻しんを排除する目標を定めました。これを受けて2007年8月、日本でも2012年までの麻しん排除を目標とした「麻しん排除計画」が策定されました。2008年から現在も、麻しんは医師が診断後7日以内(可能であれば24時間以内)に地方自治体へ届け出を行い全例検査を実施する"全数把握疾患"になりました。
さらに、2008年4月1日から5年間、従来の対象者(第1期・第2期)に加え、麻しんワクチン接種を1回しか行っていない世代に、中学校1年生・高校3年生に相当する年齢での2回目の接種(定期接種)を受ける機会を設け、一定の効果が得られたことから2013年3月に終了しています。
このように、多くの子どもたちがワクチンの2回接種を受けるようになり、2013年の平均接種率は、第1期95.5%、第2期93.0%、2014年の接種率はそれぞれ96.4%、93.3%といずれも90%以上の接種率が維持されています※。そして、日本古来のウイルスが感染源となる麻しん患者は、2010年5月を最後にそれ以降認められなくなり、2015年3月27日、WHOにより、日本が麻しんの排除状態にあることが認定されました。今後も麻しん排除状態を続けるために、95%以上の高い接種率を維持することが必要です。
※厚生労働省健康局結核感染症課、国立感染症研究所感染症疫学センター「麻しん風しん予防接種の実施状況」より

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予防接種Q&A

Q:こどもの時に風しんにかかったと親にいわれていますが、この場合予防接種を受ける必要はありますか。A:すでに風しんにかかったとの記憶のある人達に血液検査を行ったところ、約半分は記憶違い、または風...

Q:こどもの時に風しんにかかったと親にいわれていますが、この場合予防接種を受ける必要はありますか。
A:すでに風しんにかかったとの記憶のある人達に血液検査を行ったところ、約半分は記憶違い、または風しんに似た他の病気にかかっていたという調査結果もあります。風しんにかかったことが血液検査などで確かめられていない場合(風しんにかかった記憶だけの場合や、医療機関を受診していても症状だけからの診断で、診断が血液検査によって確認されていない場合など)は必ずしも信頼できません。これまで風しんの予防接種を受けたことがなければ、なるべく早く麻しん風しん混合(MR)ワクチンの接種を受けることをお勧めします。
たとえあなたがこれまで風しんにかかっていたとしても、予防接種を受けることによって特別な副反応がおこるなどの問題はありません。過去に風しんに感染していても、今、予防接種を行うと風しんに対する免疫をさらに強化する効果が期待されることもあるのでより安心です。
なお、2006年度から、1歳児(第1期)と小学校入学前1年間の幼児(第2期)に原則として、麻しん風しん混合(MR)ワクチンを定期接種として受けることができるようになりました。予防接種の詳しい内容はかかりつけの医療機関・医師、お住まいの市町村にご相談ください。