ワクチン新聞

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平成29年(2017)夏号

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怖い感染症「破傷風」

破傷風は、体内に侵入した破傷風菌が作る神経毒素が血液やリンパ液に乗って全身に運ばれ、筋肉にけいれんを起こす感染症です。潜伏期間(3~21日)を経て、口が開きづらい、ものが飲み込みづらい、ひきつり...

破傷風は、体内に侵入した破傷風菌が作る神経毒素が血液やリンパ液に乗って全身に運ばれ、筋肉にけいれんを起こす感染症です。潜伏期間(3~21日)を経て、口が開きづらい、ものが飲み込みづらい、ひきつり笑い(顔面筋の緊張)といった局所症状が起こります。全身に波及すると呼吸困難や、首や背筋の筋肉が硬直して反り返るような強直性けいれんが発作的に起こります。治療は抗破傷風ヒト免疫グロブリンの投与、感染部位の洗浄、抗菌薬の投与などを行いますが、発症すると致死率は高く、約20~50%です。破傷風菌は世界中の土壌や動物の糞便中に広く分布し、転倒や土いじりなどの際に傷口から体内に侵入して感染します。日常生活で破傷風菌との接触を完全に断つことは不可能で、誰でも感染の可能性があります。
日本では、破傷風の予防には4種混合ワクチン(ジフテリア、百日せき、破傷風、ポリオ)が用いられています。4種混合ワクチンは1回の接種では効果が不十分なため、定められた回数の接種を完遂し、十分な免疫を獲得しておくことが大切です。

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4種混合ワクチンの接種スケジュール

4種混合ワクチンは、ジフテリア、百日せき、破傷風、ポリオの4種類の病気に備え、免疫をつけるワクチンです。市町村が実施する定期接種で、定められた期間内は無料(自己負担なし)で接種できます。4種混合...

4種混合ワクチンは、ジフテリア、百日せき、破傷風、ポリオの4種類の病気に備え、免疫をつけるワクチンです。市町村が実施する定期接種で、定められた期間内は無料(自己負担なし)で接種できます。
4種混合ワクチンは第1期として、生後3ヵ月から90ヵ月(7歳6ヵ月)までに合計4回接種します。その後、第2期として11~13歳の間に2種混合ワクチン(ジフテリア、破傷風)を接種して完了します。
それぞれのワクチンで、定期接種で受けられる月齢・年齢が決まっています。一方で、乳幼児が受ける予防接種は種類も回数も多く、スケジュール管理が大変です。子どもの体調が悪いと、予定日に接種できないこともあります。もし定期接種の期間内にワクチン接種を終えられなかった場合は、かかりつけの医師や市町村の保健センターにできるだけ早く相談しましょう。

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感染症Q&A

Q.人獣共通感染症ってなに?A.人獣共通感染症(動物由来感染症)は「同一の病原体により、ヒトとヒト以外の脊せき椎動物の双方が罹患する感染症」と定義されます。例えば狂犬病、サルモネラ症、猫ひっかき...

Q.人獣共通感染症ってなに?
A.人獣共通感染症(動物由来感染症)は「同一の病原体により、ヒトとヒト以外の脊せき椎動物の双方が罹患する感染症」と定義されます。例えば狂犬病、サルモネラ症、猫ひっかき病などがあります。病原体によって、人も動物も重症になるもの、動物は無症状でも人が感染すると重症になるものがあります。動物の排せつ物の処理は速やかに行う、口移しで餌を与えない、スプーンや箸を共用しないなどの注意が必要です。

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ワクチン質問箱

質問:混合ワクチンとは?回答:混合ワクチンとは、複数の病気に対するワクチンが初めから1本の注射液に混合して含まれたものです。混合ワクチンを使うことで、1種類ずつ接種する方法に比べ、接種回数を減ら...

質問:混合ワクチンとは?
回答:混合ワクチンとは、複数の病気に対するワクチンが初めから1本の注射液に混合して含まれたものです。混合ワクチンを使うことで、1種類ずつ接種する方法に比べ、接種回数を減らすことができます。日本で接種できる混合ワクチンは、4種混合ワクチン(ジフテリア、百日せき、破傷風、ポリオ)、2種混合ワクチン(ジフテリア、破傷風)やMRワクチン(麻しん、風しん)などがあります。

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細菌とウイルスの違い

細菌とウイルスは、どちらも病気の原因になるという共通点がありますが、感染した場合の治療法は大きく異なります。破傷風や百日せきなど細菌感染症の治療には抗生物質が使用されますが、ウイルス感染症に効く...

細菌とウイルスは、どちらも病気の原因になるという共通点がありますが、感染した場合の治療法は大きく異なります。破傷風や百日せきなど細菌感染症の治療には抗生物質が使用されますが、ウイルス感染症に効く抗生物質はありません。また、ウイルス感染症では、インフルエンザ、水痘、B型肝炎などには有効な抗ウイルス薬がありますが、麻しんや日本脳炎など多くのウイルス感染症には有効な治療薬がありません。