ワクチン新聞

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平成24年(2012)夏号

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予防が大切、日本脳炎

日本脳炎は、コガタアカイエカ(蚊)により媒介され、日本脳炎ウイルスにより生じる感染症です。アジアで広く流行している病気で、毎年、3万5千?5万人の患者が発生しており、1万?1万5千人が死亡してい...

日本脳炎は、コガタアカイエカ(蚊)により媒介され、日本脳炎ウイルスにより生じる感染症です。アジアで広く流行している病気で、毎年、3万5千?5万人の患者が発生しており、1万?1万5千人が死亡していると推定されています。
日本脳炎は、感染しても症状が現れない(不顕性感染といいます)ケースがほとんどですが、発病した場合は致死率が高く、特に幼児や高齢者の死亡率が高いといわれ、深刻な後遺症を残すこともあります。
わが国には、現在も日本脳炎ウイルスが存在しています。平成14年からの10年間で、57人の発症が報告されており、子どもでは、平成18年以降6人が発症しています。
日本脳炎に特異的な治療法はなく、ワクチンによる予防が最も大切です。

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ポリオ(急性灰白髄炎)という病気

ポリオは、ポリオウイルスが口から入り、のどや腸内で増殖する感染症です。9割以上の人は症状がなく(不顕性感染)、4?8%の人は「かぜ様症状(発熱、頭痛、嘔吐など)」が現れます(表1)。しかし、ポリ...

ポリオは、ポリオウイルスが口から入り、のどや腸内で増殖する感染症です。9割以上の人は症状がなく(不顕性感染)、4?8%の人は「かぜ様症状(発熱、頭痛、嘔吐など)」が現れます(表1)。
しかし、ポリオウイルスが腸ではなく、脊髄や脳へ到達すると、その部分の細胞が破壊されます。脊髄の運動神経(脊髄前角細胞)はポリオウイルスに障害されることが多く、麻痺の症状を起こします(図2)。特に5歳未満の子どもは本疾患にかかりやすいので、「小児麻痺」とも呼ばれますが、子どもだけでなく大人のポリオもあります。
1960年(昭和35年)、日本では、北海道を中心に全国で5,600以上がポリオを発症するという大流行があり、発症した人の8?12%が死亡しました。
翌年、当時の日本政府は、生ポリオワクチンを緊急輸入し、1,300万人を超す小児に投与したことで、ポリオの流行は終息しました。
その後、1964年からは国産の生ポリオワクチン2回投与による定期接種が開始されました。多くの子どもたちがポリオの予防接種を受けていることから、1980年以降は野生株によるポリオ患者は報告されていません。
しかし、世界全体では、今もなおポリオウイルスが排除されていない国があります。海外からの輸入感染を防ぐためにも、ワクチンによる予防が大切です。

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夏のかぜ、冬のかぜ

もうすぐ待望の夏休みです。この季節は、暑さで食欲不振になったり、夜更かしで体調を崩しやすくなります。こうした時、いわゆる「夏かぜ」にかかりやすくなるので注意が必要です。「かぜ」は冬にかかる病気と...

もうすぐ待望の夏休みです。この季節は、暑さで食欲不振になったり、夜更かしで体調を崩しやすくなります。こうした時、いわゆる「夏かぜ」にかかりやすくなるので注意が必要です。
「かぜ」は冬にかかる病気と思われがちですが、「かぜ」の原因となるウイルスは200種類以上あり、その中には、夏の暑さと湿気を好むウイルスもいます(図3)。
このように、一口に「かぜ」といってもその原因は様々であり、これらを完全に予防することは困難です。
「かぜ」にかかりにくくするためには、手洗いうがいを基本とし、規則正しい生活とバランスのよい食事を常に心がけましょう。

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ワクチンギャップの解消に向けて

海外では接種することのできるワクチンが、日本では接種できない、という「ワクチンギャップ」が問題となっていましたが、今ではこうしたギャップは改善されつつあります。わが国では、予防接種法に基づく予防...

海外では接種することのできるワクチンが、日本では接種できない、という「ワクチンギャップ」が問題となっていましたが、今ではこうしたギャップは改善されつつあります。
わが国では、予防接種法に基づく予防接種を「定期接種」、それ以外を通称「任意接種」と呼んでいます。近年「ワクチンギャップ」を解消すべく新たなワクチンが導入されていますが、「定期」ではなく「任意」の位置付けとなっています。
そこで、5月23日、厚生労働省予防接種部会において、「定期接種」に以下の7ワクチンが追加されることで意見がまとまり、今後、国会審議等を経て、法制度の改正となる見通しです(来年度以降といわれています)。
・子宮頸がん予防ワクチン
・インフルエンザ菌b型(ヒブ)ワクチン
・小児用肺炎球菌ワクチン
・水痘ワクチン
・おたふくかぜワクチン
・B型肝炎ワクチン
・成人用肺炎球菌ワクチン
もちろん、法改正が正式に行われる前でも、これら疾患のワクチンはすべて感染症予防のため大切であることは言うまでもありません。
予防できる感染症は予防しましょう。