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2024年6月 第5号 最新号

定期接種となった5種混合ワクチン

これまでの4種混合ワクチン
4種混合ワクチン(百日せき・ジフテリア・破傷風・ポリオ)は世界各国で普及しており、日本では2012年11月から定期接種として導入されています1)。ひとつのワクチンで4種類の感染症の予防対策ができます。しかし、子どもに接種するワクチンの数がまだ多いため、赤ちゃんやご家族に大きな負担がかかっています。
2024年4月以降の5種混合ワクチン
そこで2024年4月から定期接種となったのが、5種混合ワクチン(百日せき・ジフテリア・破傷風・ポリオ・ヘモフィルスインフルエンザ菌b型[Hib]感染症)です(表)2,3)。現在の4種混合ワクチンとHibワクチンがひとつになることで、合計8回(各4回)*1が標準とされていた接種回数を4回に減らすことができます。接種時期の詳細については図をご確認ください。定期接種制度について詳しく知りたい方は、お住まいの市区町村またはお近くの医療機関にお問い合わせください。
*1 Hibワクチンは、接種開始時期が生後2~6か月の場合は合計4回の接種が標準です。生後7~11か月の場合は合計3回、1~4歳の場合は合計1回の接種となります4)

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宮入先生に聞いてみよう 教えてドクターQ&A

小学校で百日せきが流行っていると聞きました。5歳の子どもはすでに定期接種を受けていますが就学後が少し心配です。よい対策はありますか?
定期接種に加え、小学校就学前の1年間と11~12歳で3種混合ワクチンの2回の追加接種(任意接種)が推奨されています。
定期接種を受けていても百日せきには要注意
百日せきにかかるリスクは、ワクチン接種によって80~85%程度減らすことができると言われています5)。ただ、定期接種が完了しても小学生くらいの年齢になると、百日せきに対する免疫が低下してかかることがあります。2021年の国立感染症研究所の報告によると、百日せきと報告された方で百日せき含有ワクチンの接種歴が4回あった方の割合は、全年代でみると45%だったのに対し、5~15歳未満に限定すると84%でした6)。百日せきは、家族内、特にきょうだいから感染することも多いため6)、定期接種を終えていない赤ちゃんが家庭にいる場合はうつさないように注意が必要です。
学会で推奨されている対策とは…?
日本小児科学会は、小学校就学前の1年間と11~12歳で、3種混合ワクチン(百日せき・ジフテリア・破傷風)の2回の追加接種を推奨しています7)。任意接種となりますが、3種混合ワクチンを小学校就学前に定期接種するMRワクチン(麻しん・風しん)と同時接種する、加えて11~12歳に定期接種する2種混合ワクチン(ジフテリア・破傷風)を3種混合ワクチンへ変更することも可能です。

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お役立ちミニ情報

信頼できる情報源からワクチンの正しい知識を得よう!
ワクチンに不安を感じることもあるかと思います。インターネットでは多くの情報があふれているため、どの情報が正しいのかを判断することは非常に大変です。ワクチン接種に対して迷ったときや疑問があるときには、日本小児科学会の「知っておきたいわくちん情報」や国立感染症研究所の「予防接種情報」が役立ちます。各ワクチンのメリットやリスクについて無料で正確な知識を得ることができます。
知っておきたいわくちん情報(日本小児科学会)
https://www.jpeds.or.jp/modules/activity/index.php?content_id=263
予防接種情報(国立感染症研究所)
https://www.niid.go.jp/niid/ja/vaccine-j.html

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