予防接種とワクチンの役割砂場遊び

予防接種を受けましょう

感染症にかかると体の中で抗体などが作られ、新たに外から侵入する病原体を攻撃するしくみができます。このしくみを「免疫」といいます。

免疫のしくみを利用したのが「ワクチン」です。ワクチンを接種することにより、あらかじめウイルスや細菌(病原体)に対する免疫(抵抗力)を作り出し、病気になりにくくするのです。まれに熱や発しんなどの副反応がみられますが、実際に感染症にかかるよりも症状が軽いことや、まわりの人にうつすことがない、という利点があります。

ワクチンと注射

赤ちゃんは、お母さんのお腹にいるときにお母さんから様々な病気に対する免疫が受け継がれます。しかし、百日せきの抗体は生まれて早い時期に、麻しん(はしか)の抗体は乳児期後半には失われてしまいます。そのため、百日せきを含む4種混合ワクチンは生後3ヵ月、麻しんを含むMR(麻しん風しん混合)ワクチンは生後12ヵ月になったらなるべく早い時期に予防接種を受けましょう。

■感染症とは

ウイルスや細菌などの微生物が体内に入り、体内で増加することにより発症する病気のことです。微生物の種類によって、発熱やせき、頭痛をはじめとするさまざまな症状が出現します。

ウイルスや細菌
(公財)予防接種リサーチセンター「予防接種と子どもの健康(2020年度版)」から転載(一部改変)

■ウイルスと細菌の違い

  ウイルス 細菌
増殖 ヒトや動物など、他の生物に入り込み、その細胞の中で増える 自ら増殖することが可能
大きさ 20~100nm(ナノメートル)
電子顕微鏡でないとみえない
1~5μm(マイクロメートル)
通常の顕微鏡でみえる
構造 核酸(DNAやRNA)とそれを囲む殻のみ、細胞を持たない 細胞を持つ
抗生物質 効果はない 効果があるものがある

ワクチンの役割「個人を守る」と「社会を守る」

家族

予防接種には、「個人を守る」と「社会を守る」の2つの役割があります。

予防接種を受けるとその病気に対する免疫(抵抗力)がつくられ、その人の感染症の発症あるいは重症化を予防することができます。
また、多くの人が予防接種を受けることで免疫を獲得していると、集団の中に感染患者が出ても流行を阻止することができる「集団免疫効果」が発揮されます。
さらに、ワクチンを接種することができない人を守ることにもつながります。