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令和2年(2020)夏号② 最新号

帯状疱疹後神経痛(PHN)にご注意

帯状疱疹は、胸、腹部、背中、顔、頭部などの左右どちらか片側に、帯状に刺すような痛みを伴うみずぶくれなどができる疾患です。帯状疱疹の皮膚症状と急性期の痛みは通常1か月ほどでおさまりますが、皮膚症状が改善した後も、帯状疱疹後神経痛(postherpetic neuralgia:PHN)として長期間痛みが持続することがあります。
帯状疱疹は、水痘・帯状疱疹ウイルスが原因で引き起こされる疾患です。このウイルスに初めて感染すると、みずぼうそうとして発症します。みずぼうそうが治っても、ウイルスは体内から排除されることなく、生涯にわたって神経節などに潜んでおり、加齢、疲労、ストレス、悪性腫瘍、免疫抑制状態などをきっかけに免疫力が低下すると、再びウイルスが活動を始めることがあります。ウイルスは神経をつたって皮膚に到達して、帯状にみずぶくれや痛みがでる帯状疱疹を引き起こします。
水痘・帯状疱疹ウイルスによって神経が傷ついてしまうと、みずぶくれなどが消えてからも長期間(3か月以上~数年)にわたって痛みが持続することがあり、帯状疱疹後神経痛(PHN)と呼ばれています。「焼けるような」「締め付けるような」持続性の痛みや「ズキンズキン」といった痛みの訴えが多く、また痛みによって眠れないなど日常生活の妨げになることや、軽く触れただけで強い痛みを感じることもあるなど、PHNの痛みの症状や程度は患者さんによって異なります。帯状疱疹になった人のうち10~50%にPHNを生じると報告されています*1。
*1 国立感染症研究所:帯状疱疹ワクチン ファクトシート:平成29(2017)年2月10日

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予防が大切、帯状疱疹

みずぼうそうにかかるなど水痘・帯状疱疹ウイルスに感染したことがある人は、誰でも帯状疱疹を発症する可能性があり、約10~30%が生涯に一度は帯状疱疹を発症するといわれています*1。
帯状疱疹の発症には、加齢が関係しています。50歳を境に帯状疱疹の発症する人が急激に上昇し、70歳以上でさらに高くなり、80歳までに3人に1人が発症すると考えられています*1。高齢化が進行しているわが国では、帯状疱疹にかかる人が今後増えると考えられています。
2016年3月以降、50歳以上の人は帯状疱疹を予防するためのワクチンを任意接種として受けられるようになりました。帯状疱疹予防ワクチンには、生ワクチンと不活化ワクチンがあります。生ワクチンの場合は1回接種、不活化ワクチンの場合は2か月間隔で2回接種します。接種を希望される方は医師に相談してみましょう。
*1 国立感染症研究所:帯状疱疹ワクチン ファクトシート:平成29(2017)年2月10日

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感染症Q&A

Q.帯状疱疹患者に接すると感染する可能性はありますか?
A.帯状疱疹患者さんの水疱の中には、水痘・帯状疱疹ウイルスが回答含まれています。みずぼうそうに対する免疫をもっていない人が帯状疱疹患者さんに接すると、水痘・帯状疱疹ウイルスに感染し、みずぼうそうを発症する可能性があります。帯状疱疹は通常局所的な場合が多いですが、水疱が出現する数日前から唾液中にウイルスが排出され空気感染する可能性があるため、免疫をもっていない人はできるだけ帯状疱疹患者との接触をさけることが大事です。

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ワクチン質問箱

質問:夏季の暑い時期はワクチンの接種を控える方がよいのでしょうか
回答:夏季にワクチン接種を行うことに問題はありません。季節にかかわらず、適切な時期にワクチン接種を受けることが大切です。なお、気温が高いときには体温が上昇しやすく、37.5℃を超えると発熱として接種不適当者になります。服の厚着には気を付けましょう。

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ミニコラム

ブースター効果
予防接種や病気にかかって獲得した免疫は、時間が経つにつれて少しずつ弱まることがあります。そうした時期に予防接種を受けたり、その病気にかかっている人に接すると、弱まっていた免疫が再び強くなります。これを免疫のブースター(押し上げ)効果と呼びます。水痘(みずぼうそう)ワクチンが定期接種になったことでみずぼうそうにかかる子どもが減り、その結果、成人が水痘・帯状疱疹ウイルスに触れてブースター効果を得る機会も減ったため、帯状疱疹を発症する人の増加が懸念されています。

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