ワクチン新聞

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令和2年(2020)初夏号

小学生に増えている百日せきはワクチンで予防

百日せきは、2019年は15,974人の患者さんが報告され、特に小学生に多くみられました*1。百日せきは感染力が強く、飛沫感染や接触感染によって周囲の人に感染が広がります。保護者やきょうだいに広がる「家族内感染」を起こしやすく、百日せきのワクチンを接種していない乳幼児は90%以上が感染するとされています。乳幼児が百日せきにかかると重い症状が出やすく、特に6か月以下の乳児では死に至る危険性もあります。
百日せきに対しては、ワクチンによる予防が最も効果的です。乳幼児期に定期接種する4種混合ワクチン(DPT-IPV)で百日せきに対する免疫を獲得できますが、年月の経過とともに百日せきに対する免疫が低下します。そのため、5~15歳で百日せきにかかる患者さんが増えています。そこで、百日せきに対する免疫を維持するために、小学校入学前に任意接種として3種混合ワクチン(DPT)を追加接種することや、11~12歳で定期接種する2種混合ワクチン(DT)の代わりに任意接種として3種混合ワクチンを追加接種することが日本小児科学会から推奨されています*2。
*1 国立感染症研究所:全数報告サーベイランスによる国内の百日咳報告患者の疫学(更新情報)-2019年疫学週第1週~52週-2020年1月8日現在(掲載日:2020年3月6日)https://www.niid.go.jp/niid/ja/pertussis-m/pertussis-idwrs/9463-pertussis-20200306.html
*2 日本小児科学会が推奨する予防接種スケジュール(2020年1月改訂版)

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百日せきから赤ちゃんを守ろう

百日せきは、小児を中心としてあらゆる年代の人がかかる病気です。風邪のような症状で始まり、次第にせきの回数や程度が激しくなります。発熱は、ないか、もしくは微熱程度です。せきの症状が進むと、顔を真っ赤にしながら息をつめてコンコンと短く連続的にせきこんで、息を吸う時にヒューと笛の音のような音が聞こえる、百日せきに特徴的な発作性のけいれん性のせき(けいがい)が起こるようになります。こうした発作性のせきは、夜間に多く起こります。せきが起こらないときは無症状ですが、刺激が加わると発作性のせきが誘発されます。激しい発作性のせきは2~3週間にわたって続き、徐々に起こらなくなります。回復には2~3か月ほどの期間を要します。
最近では、成人での百日せきの感染が増加しており、問題になっています。成人が百日せきに感染すると、長期間にわたりせきが持続しますが、軽症であることが多いとされています。百日せきに特徴的な発作性のせきが少なく、必ずしも百日せきと診断されないことがあります。感染力はあるので、知らず知らずのうちに赤ちゃんを含む周囲の人に感染を広げることが危惧されています。
生後6ヵ月未満の赤ちゃんが百日せきに感染すると、特徴的なせきは起こらず、息を止めたような無呼吸発作からチアノーゼ、けいれんを起こすことがあり、場合によっては亡くなることもありますので、特に注意が必要です。百日せきのワクチンは、定期接種として生後3か月以上90か月(7歳半)未満で合計4回接種する4種混合ワクチンあるいは3種混合ワクチンに含まれています。ワクチン接種により、百日せきに感染するリスクを80~85%減らすと報告されています*3。赤ちゃんを百日せきから守るために、生後3か月に達したら速やかにワクチンを接種することが大切です。予防接種は不要不急の外出に当たらず、しっかり受けるべきという見解が日本小児科医会からも出されています*4。医師に相談して、ワクチンを接種するスケジュールを立てておきましょう。
*3 厚生労働省ホームページ:感染症情報:百日せき https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/
kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/whooping_cough/index.html
*4 日本小児科医会ホームページ https://www.jpa-web.org/
/dcms_media/other/covid19_2000_0511_design.pdf

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ワクチン質問箱

質問:ワクチン接種部位はもむ? もまない?
回答:かつてワクチン接種後に接種部位をもむことが推奨された時期がありましたが、現在では軽く押さえる程度でよいとされています。強い力でもむと、皮下出血を起こすことがあります。

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感染症Q&A

Q.百日せきの感染経路を教えてください
A.百日せきは、感染した人のせきやくしゃみなどに含まれる細菌(百日せき菌など)による飛沫感染や、接触感染によって感染が広がります。感染力は強く、狭い空間を長時間共有するような環境では容易に感染が拡大し、集団感染することもあります。潜伏期間は6~20日(多くは7~10日)です。

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ミニコラム

百日せきにかかったら出席停止
百日せきは、せきの開始から約3週間にわたり百日せき菌が排出されます。マクロライド系抗菌薬などで適切に治療すると、服用開始から5日後にはほぼ陰性になります。患者さんは、特有のせきが消失するまで、または5日間の適正な抗菌薬療法が終了するまで学校保健安全法により出席停止となり、登園・登校を控えることが必要です。

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