ワクチン新聞

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平成25年(2013)初夏号

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風しん!なぜ流行を繰り返す?

予防接種には、「個人を守る」と「社会を守る」の2つの役割があります。予防接種を受けるとその病気に対する免疫(抵抗力)がつくられ、その人の感染症の発症あるいは重症化を予防することができます。また、...

予防接種には、「個人を守る」と「社会を守る」の2つの役割があります。
予防接種を受けるとその病気に対する免疫(抵抗力)がつくられ、その人の感染症の発症あるいは重症化を予防することができます。また、周りの人たちが免疫を獲得していると、集団の中に感染患者が出ても流行を阻止することができる「集団免疫効果」が発揮されます。風しんの場合は、集団の80~85%の人たちが免疫を獲得していると集団免疫効果が発揮されます。
風しんに対して免疫のない女性が妊娠中に風しんにかかると、赤ちゃんに先天性の難聴や心疾患などの障害が起こることがあります。これを「先天性風しん症候群(CRS)」といい、特に妊娠初期の感染では障害が起こる確率が高くなります。
1977~95年頃の風しん対策は、CRSを防ぐことを目的としていたため女子中学生だけが風しんワクチンの接種対象でした。そのため、平成14年の調査では、風しんに対する免疫を持たない人が、20~30歳代では推計530万人(このうち男性が450万人)にのぼりました。
現在は、男女とも1歳と小学校就学前の2回、麻しん風しん混合(MR)ワクチンを接種されていますが、ワクチンを接種されなかった20~40歳代の男性は十分な免疫を獲得していないため流行の中心となっています。子どもたちのワクチン接種率が高まると風しんの流行間隔が広がりますが、免疫が低下した成人が増えると、職場や地域で成人を中心とした風しんの流行がみられます。
流行を繰り返さないためには、集団の80~85%の人たちが免疫を獲得し、維持することが重要です。
麻しんワクチンを2回受けていない場合は、1回の接種で麻しんと風しん両方の免疫が得られるMRワクチンの接種をお勧めします。

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日本脳炎ワクチンはなぜ必要なの?

日本脳炎は他の感染症と違い、人から直接感染することはありません。日本脳炎ウイルスがブタなどの体内で増え、そのブタの血を吸った蚊(コガタアカイエカ)にさされることでうつります。このため、私たちが生...

日本脳炎は他の感染症と違い、人から直接感染することはありません。日本脳炎ウイルスがブタなどの体内で増え、そのブタの血を吸った蚊(コガタアカイエカ)にさされることでうつります。このため、私たちが生活している周囲に日本脳炎ウイルスをもったブタが存在するのかどうかが問題となります。毎年、国立感染症研究所による流行予測調査でブタのウイルス保有状況が確認されています。この調査によると、日本各地のブタから日本脳炎ウイルスが検出されているので、私たちヒトにも感染のリスクがあることが分かります。
ウイルスを持った蚊にさされても、多くの場合は症状が出ない(不顕性感染)ですが、日本脳炎を発症すると2割から4割が死亡し、命を取りとめても運動障害などの重い後遺症を残すことが多い、怖い病気です。日本脳炎に特異的な治療法はなく、また一度破壊された脳細胞は修復できません。そのため日本脳炎は、ワクチン接種による予防が最も有効です。
日本脳炎ワクチンは、平成17年度から平成21年度まで「積極的な勧奨」が差し控えられていました。このため、平成7年~平成18年度生まれの方は日本脳炎の予防接種を受けていない場合が多いため、平成23年度より積極的な接種勧奨の対象となりました。詳しくはかかりつけの医療機関・医師、お住まいの市町村にご相談ください。

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定期接種に3ワクチンが追加されました

平成25年4月に予防接種制度が改正され、次の3ワクチンが定期接種に追加されました。〈定期接種に追加されたワクチン〉・インフルエンザ菌b型(Hib)ワクチン・肺炎球菌結合型ワクチン(PCV)・子宮...

平成25年4月に予防接種制度が改正され、次の3ワクチンが定期接種に追加されました。
〈定期接種に追加されたワクチン〉
・インフルエンザ菌b型(Hib)ワクチン
・肺炎球菌結合型ワクチン(PCV)
・子宮頸がん(HPV)ワクチン
その他、医療機関から厚生労働省への副反応報告の義務化、予防接種「基本計画」の策定と5年に1度の見直し、などの施策が盛り込まれました。
また、次の4ワクチンについても税源を確保したうえで「平成25年度末までに定期接種化の結論を得る」ことや、今後新たなワクチンが承認された場合に「速やかにそのワクチンを予防接種法上に位置付けることが適当かどうかの検討を行う」こととなりました。
〈今後、定期接種化が検討されているワクチン〉
・水痘(みずぼうそう)
・おたふくかぜ
・成人用肺炎球菌
・B型肝炎