• TOP >
  • ママ・パパのためのワクチンQ&A
  • ワクチン新聞
  • 集団生活をはじめる前に

ママ・パパのためのワクチンQA

監修:川崎医科大学 小児科学 教授 中野 貴司 先生

予防接種はなぜ行うの?

Q&Aイラスト

予防接種は、ウイルスや細菌によって引き起こされる病気(感染症)を予防するために、ワクチンを接種することで病気に対する抵抗力(免疫)をつけるものです。ポリオ、麻しん(=ましん、はしか)、破傷風(はしょうふう)、百日せき、日本脳炎など、かつて多くの幼い命を奪ってきた恐ろしい病気から子どもたちが守られているのは、予防接種の普及によるものなのです。
予防接種を受ければ病気にかからない?
予防接種で十分な免疫がつけば、基本的にその病気にはかかりません。ただし、予防効果はワクチンの種類や個人によって異なるので、予防接種をしても病気にかかる可能性が全くないとは言いきれません。また、感染しても重症化するのを予防できる場合もあり、自然感染した場合に比べて症状が軽く済むという利点もあります。
さらに、予防接種が大切な理由は、自分(の子ども)が重篤な感染症にかからないだけでなく、その病気が周りの人へ広がるのを防ぐことです。社会を守ることにつながります。
自然に感染した方が免疫がつくのでしょうか?
自然感染は確かに強い免疫がつきますが、一方で、合併症や後遺症になるリスクは高いです。
たとえば、「おたふくかぜ」は、自然感染した場合、1~10%の人が重篤な合併症になり、さらに数百人~数千人に1人は難聴になる恐れがあります。しかし、予防接種を受けた場合は、予防接種の副反応によって合併症になるリスクは自然感染の約100分の1に減ります。また、予防接種で難聴になったという報告は現在のところありません。
つまりこの場合、自然感染の方が、合併症や後遺症になるリスクが100倍以上も高くなるのです。
副反応が怖いのですが?
予防接種の後の副反応としては、熱が出たり、きげんが悪くなったり、接種部位がはれたり、しこりがでたりすることがありますが、その頻度は高くはなく、そのほとんどは数日以内で自然になおります。
「副反応がこわいから予防接種を受けたくない」と思っているひとがいるようですが、必ずしもそうではありません。そのほとんどがいわば生体の反応である一時的な症状で、感染症にかかったリスクに比べると軽く、重度の副反応はまれです。
また、予防接種の副反応がでた場合は、まずは接種した医師にご相談されるのがよいと思います。
定期接種と任意接種の違いは?
定期接種は、予防接種法に基づいて行われ、対象年齢のうちに受ければ、原則、接種費用は無料です(一部自己負担が発生する地域があります)。一方、任意接種は個人が希望して受けるもので、基本的に自己負担です。「国が決めた定期接種が重要で、任意接種は重要でない」ということはありません。予防接種の重要性としては全く差はありません。
「定期接種」と「任意接種」と区別せずに、必要なワクチンはすべて受ける方がいいと思います。予防接種により、それだけ子どもを感染症から守れる確率が高くなるからです。
その病気にかかるリスクについて考え、医師と相談して接種するかどうか判断するとよいでしょう。
いつから、どのワクチンから受ける?

Q&Aイラスト

ワクチンごとに受ける年齢が決められています。通常は、最も早く受けるワクチンは生後2か月からです。病気になる前に予防することがワクチンの目的なので、接種できる月齢になったらなるべく早く受けることが望ましいです。
1回の受診で複数のワクチンを同時に受けられる「同時接種」も検討してみてください。効率の良いスケジュールを組むことができます。
受ける順番や時期などのスケジュールは、かかりつけ医に相談しながら決めましょう。体調不良などで、スケジュール通りに受けられなかった場合は、医療機関で早めに再調整をしましょう。
同時接種って何?
一度の受診時に2種類以上のワクチンを接種することを、「同時接種」といいます。安全性や効果は、単独で接種する場合と変わらないとされています。ひとつずつ受ける場合は、次に別の種類の予防接種ができるまで一定の間隔を空けなければなりませんが、同時接種ならば一度に何種類かの病気に対する免疫を同時につけることができます。また、同時接種できないワクチンの組合せはありません。
単独で接種する場合と比べて、「必要な免疫を早くつけられる」「通院回数を減らせる」「受け忘れを防げる」などのメリットがあります。
同時接種と混合ワクチンの違いはなんですか?
同時接種は、からだの別の部位に、それぞれ異なるワクチンを接種します。上腕と大腿が接種部位で、同一肢に接種する時は約2.5cm以上の間隔を開けます。
混合ワクチンは、複数のワクチンがはじめから1本の注射液に混合して含まれているものです。日本では百日せき、破傷風、ジフテリア・ポリオの四種混合(DPT-IPV)、麻しんと風しんのMRワクチンなどが混合ワクチンです。
混合ワクチンは注射の回数を減らして子どもたちの負担を少なくすることができ、世界中で研究を重ねて開発が続けられています。
受け忘れた場合は?
気付いた時点で早めに受けましょう。複数回の接種が必要なもので、前回の接種から大きく間隔が空いてしまった場合でも、規定の回数を受ければ効果が期待できます。最初から受け直す必要はありません。
接種当日の体調がよくないときは?

Q&Aイラスト

予防接種は出来るだけ体調の良い時に行う方がよいのは言うまでもないことですが、体調が少々よくなくても、予防接種の安全性や効果自体に変わりはありません。ただ、接種後に発熱や嘔吐(おうと)が起きた場合、予防接種の副反応なのか、何か別の病気の症状なのか、判断がつかなくなる可能性があります。そのため、発熱、嘔吐、ひどい咳などの症状がある場合は、接種を控えたほうがいいでしょう。判断に迷うときは、接種前に医師に相談してください。
接種後に注意することは?
まれに起こる重い副反応として「アナフィラキシー」がありますが、接種後30分以内に起こることが多いので、その間は顔色など子どもの様子に注意し、異変があればすぐ医師に伝えましょう。
注射した部位は、わざわざ揉む必要はないとされています。当日の入浴は、差し支えありません。
接種後に何か気になる症状が出現した場合は、すべてが副反応とは限りませんが、医師に相談するとよいでしょう。